タイトル  : 惣社の家
建物種類  : 住宅
所在地  : 松本市惣社
仕様  : 木造2階建て
建築規模  : 217.42㎡
施工会社 株式会社滝澤工務店
竣工 1992年
 

 

 

お嬢さん二人が嫁がれ、夫婦二人の生活となったご夫婦は、これまでの家が、ライフスタイルと合わなくなったため、隣接地を手に入れたことをきっかけに新築することにしました。
住み手からの希望事項は、
・ご主人の仕事柄、海外からのお客様を自宅でもてなしたい。
・娘二人が同じ市内に住み、お孫さん達としばしば訪れるので泊まれるようにしたい。
・明るく風通しのよいゆったりとした家にしたい。
・できるだけ多くの収納場所を、用途に応じて使いやすい場所につくりたい。
ということでした。
松本の和風建築は昔から民家型が多いのですが、敷地前の道が狭く、付近は住宅が立て込んでいるので、重厚感のある民家型ではなく軽快な数寄屋風の外観を選びました。
檜の柱に杉を合わせた品の良い門をくぐり、左手に三十種類以上の樹木と広々とした芝生の広がる庭を眺めながら、玄関へのアプローチである大小の切り石を辿ります。
玄関は正面の砂利石の箱庭でゆとりの空間となっています。
北側の廊下から客間に向かいます。建物の見せ場の和室八畳は、庭に面した二方向に庇と濡れ縁がついています。濡れ縁からさらに一段低く石張りのリビングダイニングをつくり、本来外部につくる庇や濡れ縁を内部に取り込んでいます。寒い地方で、完全床暖房の効果を損なわず、数寄屋風にするための工夫です。広々とした庭を望み、海外からのお客様方に「和の意匠と格調」を存分に楽しんでいただける空間です。