敷地を見つける段階からお手伝いした住宅です。
当初長野市内に敷地を探していましたが、なかなか気に入った土地が見つからず大きく範囲を広げた結果、千曲市に背後を山に囲われた日当たりの良いとても環境の良い敷地が見つかりました。ただしハザードマップによると50ｃｍほど浸水する地域であることがわかりました。基礎を高くする方法も考えられますが、地域の景観上ふさわしくありませんので盛土をして敷地をかさ上げする事を考えました。盛土を伴う造成には二重の費用が掛かります。まず盛土そのものの費用、それと地盤改良工事の費用です。それらの費用と土地代金を足しても長野市内の同規模の敷地に比べ、はるかに安く済むことが分かり購入することとなりました。
敷地を約1ｍかさ上げし、階段状のアプローチで玄関ポーチに至ります。車庫も斜路の勾配を取れる範囲で高くしたところ50ｃｍ高い場所に作れました。土地は擁壁を低く抑え緩やかな勾配で庭を構成しました。2019年の水害では周囲一帯が水没しましたがこの住宅は自動車の水没も無く全く被害がありませんでした。
建物は緩やかな勾配の片流屋根を2枚、高さをずらして構成しました。背景の山に溶け込み景観になじんでいます。
室内の大きな特徴は収納やユーティリティーの充実です。南側に洗濯室と室内物干しを作り、そこに連続して洗面脱衣と浴室、ウォークインクローゼットを作りました。
薪ストーブの熱を家全体に回すため居間は吹き抜けて2階の子供室、予備室、寝室につながります。
南面の大きな窓からは冬の日射が差し込み大変暖かく、夏はバルコニーの効果で日射が遮られます。