初めて手掛けた精神科の医院です。一昔前の精神科の暗いイメージとは違い、ノイローゼやちょっとした鬱でも診察を受けてくれるようになってきました。とはいえ複雑な気持ちを抱えた患者さんですから、あからさまに来院していることがわからによう工夫する必要がありました。幸い敷地は2方向に道路と接しており間口の狭い側に車を並べメインの道路からは見えにくくなっています。また正面からは玄関が直接見えませんので出入りの様子を見られることも有りません。内部空間はあくまでも患者さん中心に考え、明るく柔らかい雰囲気を演出するよう心がけました。待合室の窓は天井まで大きく取り開放があります。仕上げ材料は床と天井に無垢板を使い、壁は塗り壁です。独立したテーブルと椅子も木製ですし、長いベンチはなんと一枚板です。
安心して診察を受けられるよう診察室の前には庭を作りました。高い塀は前面道路の騒音を防ぎプライバシーを守っています。