タイトル | : | 善光寺平を望む家 | |
建物種類 | : | 住宅 | |
所在地 | : | 長野市 | |
仕様 | : | 木造2階建 | |
建築規模 | : | 42.04㎡ | |
施工会社 | : | 株式会社鎌倉材木店 | |
竣工 | : | 2020年 | |
始まりは沖縄から電話を頂いたことからだったように記憶しています。さすがに長野県の設計者が沖縄に住宅を建てるというのは難しいのではと瞬間的に思ったのをよく覚えています。幸か不幸か建設地は長野市とのことで、遠くに単身赴任中なので敷地を見てほしいというものでした。
早速見に行った敷地は過半が傾斜地でしかも平坦地が道路の湾曲に合わせた扇形という難易度の高い土地で、手放しで推薦できるものではありませんでしたが、善光寺平を一望でき、しかも敷地内には桜の林が広がる最高の眺望の地で有ることは間違いありません。私もお施主もこの景観にほれ込んで購入することを決断しました。
設計者として第一に考えたことは建物の安全性です。斜面に建物の荷重を伝えない位置に配置するために平面形をくの字にしました。結果的に湾曲した前面道路にも沿う形となり街並みがスムーズに繋がる効果を生んでいます。
お施主の希望は眺望の良い家に決まっていますが「景色がインテリアになるような家」という、とても魅力的な表現をされていました。最も長い時間を過ごす居間の窓はただ大きくするのでは無く景色を切り取て一枚の絵になるようにしたほか、樹上で寝ている気分になれる寝室、人目を気にせず景色を満喫できる浴室など、部屋ごとに景色とのかかわり方を変えています。