タイトル  : やぶはら小児科医院  
建物種類  : 医院  
所在地  : 箕輪町  
仕様  : 木造平屋  
建築規模  : 223.92㎡  
施工会社 宮下建設株式会社  
竣工 2019年  
写真 株式会社ロココプロデュース    
    林 広明  
       

敷地は伊北インターから伊那に抜ける伊那バイパスから一区画東に入った場所にあり、バイパスほど交通量は多くなく全面道路は広いという好条件でした。またコンビニの駐車場越しに敷地が見通せ、背景の山並みが美しい大変恵まれた場所にあります。その景観を生かすため建物は片流れ屋根を組み合わせた平屋とし山の連なりを模しています。外壁は土壁風の塗り壁と木材を使った素朴な表現とし田園地域に溶け込ませました。

建物は登り梁構造を採用し、アプローチの大屋根と天井の高い内部空間を作りました。車椅子のためのスロープは屋根がないことが多く傘をさせない利用者には極めて不親切です。スロープを覆う大屋根を作り車の駐車スペースも確保しました。雨の日には屋根の下で車から子どもを降ろした後、正規の駐車場に車を移動するという仕組みです。玄関を開けると正面はガラス張りで山並みが見えます。風除室にはメインの入り口の隣にもう一つの入り口があり小部屋に直接入れる仕組みです。感染症の患者さんの待合室になったり、他の子どもとなじめない子どもの待合室にもなります。メインの入り口を入ると高天井の廊下があり露出した5本の登り梁が空間にリズムを与えています。待合室と廊下の共用空間の仕上げには床と天井が北相木村の唐松板、壁が珪藻土の塗り壁と安曇野の小幅唐松板を用いて、自然素材に囲まれた居心地の良い空間を作りました。唐松無垢板の床は子どもたちが素足で走り回るのに最適です。