タイトル  : 青木原の家
建物種類  : 住宅
所在地  : 長野県北安曇郡
仕様  : 木造2階建て
建築規模  : 153.95㎡
施工会社 (株)矢口工務店
竣工 2013年9月
 

 

 

アルプスを見て暮らしたい。

そう話すご夫婦の要望を受け、土地探しの段階からお手伝いした結果辿り着いたがこの敷地でした。ここはアルプスの眺望を最大限楽しめるように、一区画のすべての電線が地中化されており、まさに「信州スタイル」のための小規模開発地のモデルといえるような場所です。

この最高のロケーションを最大限に活かすべく散々悩んだ末に出来上がったのは、1階に玄関やホール、車庫、外部収納、機械室など生活を裏で支えてくれる空間を配置し、2階にリビングやダイニング、キッチン、バスルーム、テラスといった日常生活のための空間を全て集めるプランでした。

この家の最大の魅力は、やはり2階リビングの大開口部から眺めるアルプスの眺望です。すべての木製サッシを引き込むと、アルプスの山々が目の前に広がり、晴れた日には遠くの白馬三山まで見渡すことができます。寒い冬には薪ストーブに火を入れます。そして、その傍に椅子を置き、大好きな山を見ながらゆったりと過ごすことができます。

リビング横のキッチンでは、冷蔵庫も含めた道具類を全て引き戸の中に収納できるようにしました。こうすることで、リビングに続くオープンなキッチンでありながらも、スッキリと片付けることができます。リビングからは直接テラスに出ることができます。キッチンやダイニングからもアルプスを眺めることはできますが、ダイニングの作り付けのベンチの皆板以外はテーブルも椅子もすべて移動可能なので、それらをテラスに出し、アルプスを眺めながら楽しむ食事は格別です。

テラスの隅角部にバスルームを設けました。まわりからの視線を遮りながらも眺望が確保できるように、テラスの周りに塀を配置したので、女性でも周囲からの視線を気にすることなく、アルプスを眺めながら湯船に浸かることができます。「寝室のベッドから空が見たい」という要望に応え、寝室には天井までの高さが3.6mもある壁いっぱいに窓をつくりました。この大きな窓により、ベッドの中から月を眺められる寝室を実現させることができました。

1階の玄関ホールと廊下を全面タイル張りとすることで犬が自由に走り回れるようにしたり、犬用のシャワー付きシンクを設置したりすることで、愛犬との生活を存分に楽しめる空間を確保しました。

内装についてみると、床と天井にはスギの無垢板を張り、壁は漆喰仕上げとしました。そして、天井には力強い登り梁を敢えて露出させました。外壁は黒のガルバリウム鋼板で仕上げ、金属の強さを和らげるために木材を共存させています。

奇跡的に手に入ったこの土地は、素晴らしい景観を存分に楽しみたいと考える人たちが集まる場所でした。この場所の宅地開発を手がけたのがこの家をつくってくれた工務店でもあり、とても良い仕事をしてもらえました。施工会社の意識の高さが住宅の完成度に影響を与えることは言うまでもありませんが、ここに住むことを決めた住民方々の景観に対する意識も非常に高く、住民と業者、そして建築家が協同して美しい景観を作り上げるという、新しい宅地開発のあり方を考えさせられました。

arai

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