タイトル | : | 朝日村の家 | |
建物種類 | : | 住宅 | |
所在地 | : | 朝日村 | |
仕様 | : | 木造2階建て | |
建築規模 | : | 210.5㎡ | |
施工会社 | : | 株式会社奈川建設 | |
竣工 | : | 1999年 | |
自分の山の木を使って家を建てられないかという問い合わせから始まった仕事です。
まず山の木を見に行きました。思ったよりも急な斜面にアカマツを中心に桧、杉が大きく育っていました。祖父の代から山の手入れをしてきたのだそうですが、木の成長は遅く父親の代では十分に育っておらず、ようやく自分の代で可能になったとのこと。
正直初めてのことでどの木がどのように使えるのかさっぱり分かりません。木に詳しい施工会社の力を借りなければどうにもならないことが分かり、奈川建設さんの小林社長の教えを請いながら設計を進めていきました。
アカマツはほとんど曲がっていますので大きなまっすぐな梁には使えません、曲がりを利用した太鼓梁としてなら使えそうです。昔ながらの和小屋にすることにしました。折角の立派な木です、出来るだけ見せるように考えました。その力づよい梁を支えるためには太い柱が似合いそうです。ちょうど良い桧がありましたので、吹き抜けを貫く形で25センチを超える柱を並べこの家の中心としました。
床板はアカマツの無垢板です。捨てる部分を少なくするため幅の広いものから、狭いものまで3種類の幅の床板を作り張っています。写真を見ると幅の違いが分かります。
玄関の下駄箱のカウンターは桧の根元の太い部分を利用しています。
暖房は豊富な木材を利用できるため薪ストーブです。薪ストーブの後ろの壁は蓄熱性能の高い大谷石積みとしました。この蓄熱壁の効果は想像以上で、玄関に入った時、壁全体から暖かさが伝わってきます。
出来る限り自然に作りたいと考え、伐採は腰まで雪が積もった1月に行い、1年間自然乾燥をして製材して建設しました。設計から完成まで4年間を費やした大工事です。