タイトル | : | 穂高の別荘 | |
建物種類 | : | 別荘 | |
所在地 | : | 長野県安曇野市穂高 | |
仕様 | : | 木造2階建て | |
建築規模 | : | 86.464㎡ | |
施工会社 | : | 布山工務店 | |
竣工 | : | 1988年7月 | |
HAL設計室を開設して初めていただいた仕事です。
施主は松本市内にお住まいで、積極的に利用したいという理由で1時間以内に着く穂高の温泉付き別荘地を購入されました。
建設当時はバブル終盤の時代です。
高級建材をふんだんに使った建物があふれる時代でしたが、自然豊かな別荘地に高級サイディングを張った華美な建物は似合わないと考え、外壁に桧の無垢板を張り片流れ屋根を組み合わせたシンプルなデザインの建物を提案しました。なんの実績も無い独立したばかりの若造の提案に耳を傾けて下さった施主に感謝です。
構造材を露出させ、杉無垢板天井を使う(天然素材を使う)というスタイルは30年経った現在も私の基本形です。残念ながら床暖房に対応した無垢板は当時無かったので専用の建材を使用しました。何回も利用させていただいていますが、床板が無垢だったらさぞ気持ちが良いだろうといつも思ってしまいます。
風呂には専用のバスコートがあり外壁からつながる塀で外部から守られています。サウナを使うときはテラスに出てクールダウンできます。
別荘で大変なのは準備と後片付けです。デッキに置かれたテーブルやイスを室内に出し入れするのは結構大変です。それを解消するために、ガラリ戸で仕切れる半外部の空間を作りました。ガラリ戸を全開にすれば開放的な外部ですし、閉めれば室内となりますからテーブルやイスは定位置に置きっぱなしです。
最大の特徴は暖房と給湯をテレコントロール出来ることです。自宅を出発するときに電話をかけると自動的に湯船に給湯され温水式床暖房が入りますから、別荘に到着したときには部屋は暖まり、湯船にはお湯が入っている状態です。30年前にこのシステムを実現するのは大変でした。